断熱性とともに高めたい「気密性」
断熱性を魔法瓶と考えるならば、気密性は内側の熱を逃がさないための蓋として例えられます。せっかく断熱性が良くても家の壁や天井、床などに隙間があると、そこから室外へ熱が漏れてしまうだけでなく、家の隙間を減らして気密性を高めることは、断熱材の持つ力を最大限に引き出し、省エネ効果を高めることにつながります。
気密性の高い家では湿気はこもる?
かつて、気密性の高い家では、断熱効果が最大限に発揮される一方で、家の中で発生した湿気がこもりやすくなり、カビが発生する原因となっていました。換気機器が導入されていなかったためです。現在は、すべての建築物で24時間換気システムの設置が義務化され、換気回数の基準も設けられているので、気密性が高い家ほど換気機器の効きが良く、湿気がこもりにくくなっています。
地震に強い家を目指す「耐震性」
地震大国といわれる日本では、家づくりにおいて大地震への備えが重要です。
耐震性とは、その名の通り地震に耐えうる性能のこと。耐震性の高い家は、地震の揺れに耐えるという意味です。家の地震対策には、ほかにも家に揺れを伝えにくくする「免振」と、揺れを吸収する「制震」があります。
>>参考コラム:住宅の耐震とは?山形市で地震に強い家を建てるポイントも解説
耐震性のレベルを表す耐震等級について
耐震性のレベルを表す耐震等級は、2000年に定められた「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」でうたわれています。
耐震等級は1~3に分かれていて、耐震等級3が最高レベル。以下で各等級の水準を確認してみましょう。
【耐震等級1】
震度5程度の地震では、建物が損傷しないといわれています。ただし、震度6~7クラスになると損傷を受けることも。
【耐震等級2】
耐震等級1の1.25倍の地震の揺れに耐えられる性能を持ちます。長期優良住宅では、耐震等級2以上(構造計算をしないときは等級3)が必須条件です。
【耐震等級3】
耐震等級1の1.5倍の地震の揺れに耐えられる性能を持ちます。警察署や消防署の多くは耐震等級3で建てられています。
参考元:国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」
高性能住宅にはどんなメリット・デメリットがある?
断熱性・気密性・耐震性といった性能が高い住宅では、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
メリット
高性能住宅では、以下のような点がメリットとして挙げられます。
●少ないエネルギーで室内の気温をキープできるため、光熱費の削減ができる
●外気温の影響を受けにくく室内の気温が一定であるため、快適に過ごせる
●部屋ごとの温度差が生じにくいため、ヒートショックのリスクが減る
●地震や台風などから家が守られ、安全に暮らせる
●耐久性が上がり、修繕費やメンテナンス費を抑えられる
住宅の性能が高くなると、ランニングコストを低く抑えられるほか、日々快適に過ごせます。また、健康面や安全面からも大きなメリットが得られるでしょう。
>>参考コラム:山形市での注文住宅の維持費はどのくらい?税金やメンテナンス費用、光熱費などを紹介
デメリット
高性能住宅では、多くのメリットが得られる反面、デメリットも生じます。
●性能を高めるために使用する材料費が高いため、建築コストがかかる
高性能住宅にするためには、品質の高い資材や設備の使用、高い技術力が必要です。そのため、建築コストが上がってしまいます。しかし、メリットでも紹介したように、光熱費やメンテナンス費が抑えられることから、長期的目線だと出費は少ないといえます。
>>参考コラム:山形市の建築費用の相場と坪単価まとめ!自分の年収で実現する家づくりとは?
新築の高性能住宅で受けられる補助金制度は?
建築コストがかかるといわれる高性能住宅ですが、
国や山形県では新築の高性能住宅を対象に補助金制度を設けています。以下では、受けられる補助金制度についてまとめたので、新築の注文住宅建築の際参考にしてみてください。