価値観の変化にともなって間取りも変化している
近年はライフスタイルや価値観の変化にともなって、注文住宅の間取りの考え方も変わってきています。部屋数だけで2LDKや3LDKなどと考えるのではなく、果物に見立てた2つのタイプで表現されることがあります。
従来の住宅で採用されていた「ぶどう型」の間取り
従来の住宅でよく見られたのが「ぶどう型」の間取りです。子ども部屋や夫婦の寝室など、用途に応じて個室を設け、それぞれを廊下でつなぐ「中廊下型」の間取りがぶどう型と呼ばれます。複数の個室をぶどうの実に見立て、それぞれをつなぐ廊下がぶどうの軸を表しています。
ぶどう型の間取りは部屋ごとに区切られているため、プライバシーが確保しやすいことが特徴です。また、断熱性や気密性の低い住宅でも室温調整しやすいというメリットがあり、多く採用されていました。しかし、冷暖房のない廊下や浴室で寒暖差が大きくなり、ヒートショックの発生を高めてしまう原因となりました。
ぶどう型の間取りは部屋ごとに区切られているため、プライバシーが確保しやすいことが特徴です。また、断熱性や気密性の低い住宅でも室温調整しやすいというメリットがあり、多く採用されていました。しかし、冷暖房のない廊下や浴室で寒暖差が大きくなり、ヒートショックの発生を高めてしまう原因となりました。
近年主流の間取りは「りんご型」
2000年代になり、家族との時間を大切にするようなライフスタイルや価値観に変化。さらにコロナ禍でおうち時間が増えた影響もあり、家族と過ごすリビングを重視する価値観に変わりつつあります。その結果、近年多く採用されるようになってきたのが、ぶどう型の間取りとは対照的な「りんご型」の間取りです。廊下をつくらずリビングを家の中心に配置し、リビングから浴室や階段、子ども部屋などに直接つながるように配置された間取りを「りんご型」と呼びます。大きなワンルームのような家なので、皮のなかに実が詰まったりんごをイメージさせるのでしょう。
りんご型の間取りのメリット
リビングを中心と考えるりんご型の間取りには以下のようなメリットがあります。
・家族とのつながりを感じられる
・空間を自由に使いやすい
・同じ床面積でも広々と開放的
・部屋ごとに室温のムラが生まれにくい
子ども部屋など役割を決めて個室を設けるぶどう型の間取りは、子どもが独立するなどライフスタイルが変わったときに部屋が余りがち。泊まりの来客があれば、部屋が足りないということもあるでしょう。一方で、りんご型の場合、子どもや来客用のスペースが必要であれば、可動式の間仕切り壁や引き戸などを使って空間を区切り、不要になれば、仕切りを取り払えます。このように、必要に応じて空間を広々と自由に使えるため、無駄のない住まいが実現可能です。
・家族とのつながりを感じられる
・空間を自由に使いやすい
・同じ床面積でも広々と開放的
・部屋ごとに室温のムラが生まれにくい
子ども部屋など役割を決めて個室を設けるぶどう型の間取りは、子どもが独立するなどライフスタイルが変わったときに部屋が余りがち。泊まりの来客があれば、部屋が足りないということもあるでしょう。一方で、りんご型の場合、子どもや来客用のスペースが必要であれば、可動式の間仕切り壁や引き戸などを使って空間を区切り、不要になれば、仕切りを取り払えます。このように、必要に応じて空間を広々と自由に使えるため、無駄のない住まいが実現可能です。
りんご型の間取りにするなら高断熱・高気密が不可欠!
このように、メリットの多いりんご型の間取りですが、快適に暮らすためには、断熱性・気密性の高さが必要不可欠です。りんご型の間取りは部屋を細かく仕切らないため、部屋ごとの室温調整がしにくいというデメリットがあります。そのため、断熱性・気密性がないりんご型の間取りは、広い空間の室温を調整するために、かえって冷暖房のコストがかさんでしまうのです。
>>参考コラム:注文住宅に取り入れたい性能とは?山形市で叶える快適な暮らし
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住宅の断熱性能を判断するポイント
それでは、住宅の断熱性能や気密性能はどのように判断すればよいのでしょうか。住宅の断熱性能を考える上で、チェックするべきポイントが「断熱等性能等級」です。断熱等性能等級を評価する「住宅性能表示制度」は、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづく制度。住宅の性能を分かりやすく表示するため、10分野33項目に分けられて評価され、等級によって表しています。
断熱等性能等級は、外壁や窓から熱がどれほど出入りしやすいかを表す「UA値(ユー・エー値)」と、夏に太陽の日差しがどれほど入りやすいかを表す「ηAC値(イータ・エー・シー値)」で評価。等級は1から最高等級7まで分けられ、UA値・ηAC値が小さくなるほど断熱等級が高くなります。
断熱等性能等級は、外壁や窓から熱がどれほど出入りしやすいかを表す「UA値(ユー・エー値)」と、夏に太陽の日差しがどれほど入りやすいかを表す「ηAC値(イータ・エー・シー値)」で評価。等級は1から最高等級7まで分けられ、UA値・ηAC値が小さくなるほど断熱等級が高くなります。
山形市周辺の基準UA値
日本は北海道から沖縄まで地域によって気温差があるため、断熱等級を判断するための基準となるUA値は、地域によって異なります。たとえば、北海道夕張市のような寒冷地が「1地域」、沖縄県や鹿児島県奄美市のような温暖な地域は「8地域」など。山形市は、東北地域の近県と同様に4地域に設定され、基準となるUA値(単位:W/㎡・K)は以下の通りです。