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マーケティング・設計サポート【和島 友里】注文住宅
2023/05/24
家づくりを考えはじめたとき、おしゃれな家の写真や素敵な施工事例を見て、
「こんな家にしたい!!」
「こんなインテリアが好き」
「自分の家を建てるときも真似したい!」
と、誰もが一度は心躍らせると思います。
そこで、今度はいろいろ調べてみると、
資金計画とか、周囲の環境、家族の都合とかの自分の置かれている「現実」が見えてきて、
なんだか大きく夢見てた気持ちがシュンとしぼんでくる。
どう「理想」と「現実」の折り合いをつけて満足するものにするか……が、注文住宅の醍醐味であり大変なところの一つであるわけです。
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が。
まず、
と思います。
ここでいうと「こんな家にしたい!」と感じたところは、最初から最後まで大事にしてほしいのです。
せっかく注文住宅を選んだのに、あれこれと心配ばかりして我慢したら何も楽しくないです。
注文住宅にしたメリットもなくなってしまいます。
「わあ、こういう家がいいな」と心躍らせた、その気持ちはぜひ大事にして家づくりを進めたいもの。
とはいえ、「現実」もよく見て考えて、そちらも大事にしてほしい……というのが今回の話。
「現実」といっても、資金計画をしっかり立てて! とかそういう話ではありません。(お金はもちろんとても大事なのですが…)
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具体的にいうと、現在のくらしや住まいにどんな不満があるか?です。
「マイホームがほしい!」と思うからには、なにか現在の住まいに不満があるはず。
「より快適な暮らしがしたい」と考えて、マイホームのことを考え始めるのではないでしょうか。
では「よりよい快適なくらし」とは何か。
それは、現在の「住まいへのお悩み」が解決された状態ではないでしょうか?
先ほども言ったように理想ももちろんとても大事なんですが、理想はあくまで頭の中の想定。
それをすべて叶えたからといって「住みごこちのいい家」になるかどうかはわかりません。
しかし、
住まいへの不満は、「現在」家族が「体験」していること。
ですので、具体的に対策や解決ができることなんです。
そしてそれは、生活している人にとって「快適なくらし」への第一歩に違いありません。
日々の小さく、しかし確実に積み重なっているストレスから解放されることができるんですから。
そういう不満のなかに、家族のほんとうの「理想のくらし」が隠れていることも多々あります。
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また、
「理想」は他人の意見などによって揺らぐことがあります。
「吹き抜けが素敵」と思っても「冷暖房効率が~」とか「管理と掃除が大変よ」とか言われるとどうでしょう。
「真っ白の壁の家にしたいな」と思っても「汚れが目立つ」とか「○年後のメンテナンスが~」と言われたらどうでしょう。
他人に、「やめた方がいいよ」と言われると「確かにそうかもな…」と気持ちが揺らぎませんか?
でも、
「現実の不満」は目の前で自分が感じているのだから絶対です。揺らぎません。
同じ状態が新居であってはいけないんです。
だって不満に感じることなんだから、解決しないで住みごこちがよくなるわけがないからです。
これが大切なことなんです。
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具体例を出してみます。
今の住まいは収納場所が足りない。と現在不満を感じていたとします。
だからと言って、インスタなどを見て「この写真と同じ感じの広い収納場所が欲しい」などと「理想」を突き進んではいけません。
家や家族によって、収納するものも、それをいつどうやって使うかも違います。
大きな収納が1つあった方がいいのか、小さな収納が3つあった方がいいのか。
家族の生活スタイル、部屋の使い方、片付けが好きか嫌いかなどによってベストな形はさまざまです。
ではどうしたらいいかというと、
大きさや形を考える前に、自分の情報をまずは落とし込む必要があります。
今の家にあるもの、特に収まってなくてストレスを感じているものをどんどん書き出していき、
それが収まる物の住所というやつを決めた収納プランを考えてもらえばいいんです。
引っ越しまでには処分するかもしれないなというものも入れておくといいです。
引き渡しごろ~引っ越しまでは案外バタバタしてしまい、捨てるつもりだったものをそのまま新居に一時的に持ち込まざるを得ないことはよくあるからです。
そうすれば、引っ越しをした時に「想定した場所に、きちんとおさまった綺麗な状態」で生活をスタートできるようになります。
そこから不要なものを処分していけば、スペースに余裕ができて、また新しいものを買い足していくことができます。
「現実」である、いま持っているものがわかってこそ、使いやすい広さや数や場所が出てくるもの。
今あるもの、必要なものに合わせて作ることができる。
これが、注文住宅のいいところの一つです。
これが、収納がたくさんほしいから…という「理想」のみで、やみくもにあちこちに収納を作ってしまうと、どこに何を収納するか悩んでしまったり、使う場所と収納場所があっていなくて使いにくかったり、持て余して収納よりもっと部屋に面積を割けばよかったな、なんてことも出てきてしまうかもしれません。
収納のために建築面積が増えると、当然予算も増えてしまいます。
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もう一つ例を。
理想が
「冷蔵庫はパントリーに隠して生活感のない暮らし」
であり、現在の不満が
「家族が料理中にも冷蔵庫を頻繁に開けるので、動線が重なる」
だとしたら、
果たして冷蔵庫をパントリーに入るような配置にして生活感を隠すのと、
料理中の動線が被らず、家族みんながアクセスしやすい位置に冷蔵庫を置いたキッチンにするのと、
どちらが実際暮らしはじめた時に「よかった」と思うでしょうか。
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ほかにも、
お風呂やトイレの窓の有無。
(人ひとそれぞれで、賛否両論ある部分ですよね。)
「お風呂は窓を付けて明るく」が理想でも、
現実として「毎日忙しくて掃除が大変!」と感じているのであれば、
掃除の手間が少し増えるトイレやお風呂の窓はなくした方が、今後の暮らしは楽になるかもしれません。
「書斎が欲しい」という理想も、よく面積の都合で叶わなかった…ということがありますが、
現在の不満が「一人になる場所がない」だとしたら、書斎という形にこだわらずちょっとしたデッドスペースになる場所を利用して隠れ家的スペースを作ったりなど、もっとプランの幅がひろがり、不満が解消され結果的に理想が叶うかもしれません。
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素敵な写真やモデルハウスを見てしまうと、
「あれもほしいこれもほしい」「あれもしたいこれもしたい」「せっかく新築するのだから」状態になるのはよくわかります。
そして、そのときめいた気持ちはとても大事にしてほしい。
ただ、私たちはその家で、この現実の毎日をこの先何年も過ごしていくわけです。
ホテルのように、毎日部屋を整えてくれる人や掃除をしてくれる人はいません。
時間に追われて過ごしていく日々が新しい家でももちろん始まります。
少し落ち着いて「現在の不満」をぜひ書き出してみてください。
できれば、ご家族みんなでたくさん。
家づくりノートというものを作りましょう、という方もいます。
それもとてもいいことです。
ですが、そこまでやらないとダメなの?と思う方もいらっしゃるでしょう。
そんな時間ないわ、とかそういうの面倒くさくて無理、と思う方でも「理想の書き出し」ではなく「不満の書き出し」はぜひやってください。
スマホのメモでも、その辺の紙にでもなんでもいいので。
そしてそれをプランなどの聞き取りの際にお伝えください。
不満をくみ取って解決してくれる建築士や設計士であれば、「暮らしやすい家」が出来上がってくるはずです。
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注文住宅は、自分たちの暮らしにどのぐらいの広さがベストで、どのようにしたらよりムダなく空間が使えるか。
という「かゆいところに手が届く」ような部分も、実現することができるんです。
いまの不満が解消されてから、「理想」のときめきをエッセンスとして加えていきましょう。
どんどん家づくりが楽しくなるはずです。
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実際どんなふうに、住み手の不満を解消して「暮らしやすい家」をつくっていくのか?
たくさんの住宅設計を手掛けてきた建築家の生の声が聞けるチャンス!
建築家 宮田恵実先生を招いての
「平屋の家づくり」トークイベントを開催します!
2023年6月4日(日)
1)AM10:00~ / 2)PM1:00~
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